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みなぼん
2012.4.6 06:31『わしズム』

「女について」に対する批判に応える

よしりん先生が
来てくれましたよー
絵文字:晴れ



たいへん歴史的に意義ある復刊の期待と、
たしかに前の方は共感したが、
後半以降、理解に苦しむ部分があった。

特に「女について」は
何のために、わざわざと不思議である。

小林よしのり氏が自分をおとしめる
作品を念を入れて描くのか、
10万年の神様」も理解できません。
81歳・男)

 「わしズム」『女について』

 

「わしズム」 の愛読者カードに
あった感想である。

年配の方や、女性の方からも、
『女について』
10万年の神様』
否定的な感想が多い。

『戦争論』 以後の読者は、
わしの 『東大一直線』 から
『おぼっちゃまくん』 までの
ギャグ漫画を知らない。

異常天才とか、
異形の漫画家と言われた
わしの昔の漫画を見たら、
こういう人たちは
卒倒するだろう。

『女について』は
自分をおとしめるために
描いているのではない。

男と女の関係は
主観的には確かに
ロマンチックな部分もあるけれど、
客観的には
ぶざまな部分もあれば、
奇妙なこだわりや趣味や
相性に左右される
滑稽な部分もあるはずだ。

渡辺淳一的な格好いい
不倫物語は全然リアルでは
ないとわしは思う。

自分を主人公にして
風俗ライター的なものを描く
漫画家はいるけれど、
カネで割り切る男女関係ではなく、
恋愛や友情や信頼で成立し、
かつくだらない原因や不和で
別れていくエピソードを描く方が、
わしは男女の真実に
迫れると思っている。

しかも、妻がいる身で
どこまで描けるかも、
漫画の実験としては面白い。

小説では檀一雄の
『火宅の人』があるが、
漫画ではそのような物語に
挑戦した作品はない。

しかし、わしは太宰治風の
私小説的な露悪趣味に
耽溺するつもりも全くない。

ユーモアを常に漂わせた、
しかも嘘と現実の境界が
わからないリアリティを
描いてみたい。

毎回、必ず女性をくどいて、
さっさとやり逃げしていくという
話ばかりではない。

まだ導入部だ。

だが問題は、
『戦争論』 以後の
わしの読者は真面目で
道徳的な人が多いので、
こういう漫画には
拒否反応を示すことだ。

保守的な人々は、
戦前は道徳的な時代、
戦後は非道徳的な時代と
思っている人が多い。

「源氏物語」 を彼らがどう
評価しているのか知らないが、

神話の時代から日本人は
そんなにガチガチの道徳主義
ではないはずなんだが。

そもそも誰だって
男女関係はみっともない
部分があるはずで、
醜態を晒したくないという
臆病さが、
最近の若者の恋愛下手の
原因であるならば、
わしのような還暦間近の男が
若い女をどんどん
やっちゃうぜと挑発する
くらいのことをしたって
いいじゃないか。

しかし
『女について』 も 『10万年の神様』 も、
評価の分かれ方がすごい。

『女について』や
ファリーザのヌードは、
一番最初に見るくせに
いらないという読者も
多いようだ。

見栄だろうか?

自分で自分を
誤魔化したいのだろうか?

案外、平穏無事な人生の
ひび割れを糊塗したいと
防御本能を働かせる、
健気な庶民の知恵かもしれない。

みなぼん

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